以前から投稿しようしようと思いながら書けなかった裁判員制度の記事。
わたしは以前に裁判員制度の裁判員に選ばれたことがあったのですが、やはり裁判の事件の内容の重さからなかなか書くことができませんでした。
しかし時間の経過とともに、裁判員制度について知りたい人がいるのではないか、自分の人生の記録にもなるのではないか、と思うようになり記事にしてみることにしました。
以前のことであり記憶があいまいになっている部分のありますし、わたしが裁判員をしている頃と現在では異なっている点もあるかもしれません。
その点を踏まえて参考程度に読み進んでいただければと思います。
Contents
まず裁判員の候補者になる
裁判員裁判になる事件は一定の重大な犯罪です、人命にかかわる内容の事件がほとんどでしょう。
できれば「辞退したい」と思われる方も多いと思いますが、わたしもそう思っている1人でした。
最初は最高裁判所から封筒がきた
11月ごろ、次のような書類が家に送付されてきました。
突然「最高裁判所」からですから『新手の詐欺かもしれない』と警戒してしまいましたよ、わたし。
内容は「裁判員候補者名簿への記載のお知らせ」というものでした。
その次の1年間(1月1日から12月31日)はあなたが裁判員の候補者の名簿に載っていますよー、管轄の裁判所で裁判員裁判があればあなたが裁判員に選出されることがあるかもしれませんよー、その時は連絡するから裁判員になる可能性があることをわかっておいてね、といった感じでしょうか。
裁判員制度についてわかりやすく説明されているパンフレットも同梱されています。
DVDもついていましたが、この時はまさか裁判員に選ばれるとは思っていなかったので見ていませんでした(製作者さま、すみません)
裁判員の候補者は選挙権のある有権者の中から無作為に選出されています。
中には事情でどうしても裁判員制度に参加できない人もいるかもしれません、そういった方のみ候補者から外してくださいといった申し立てができます。
コレコレこういう理由で裁判員制度に参加できません、と返送すればこの時点で裁判員制度の候補者にならなくて良いようです。
裁判員選任の流れとは
①裁判員候補者 名簿の作成 ⇒ ②候補者への通知 ⇒ ③事件ごとに裁判員候補者がくじで選ばれる ⇒ ④選任手続期日のお知らせ ⇒ ⑤裁判所で候補者から裁判員を選ぶための手続き ⇒ ⑥裁判員が決定
この時点では②の通知の段階なので裁判員になるかどうかはまだわかりません。
もしかすると候補者にはなったものの裁判所に呼ばれることがまったくない、ということになる場合もあります。
裁判員に選ばれる確率とは
同梱されていた冊子によると、裁判員になる人の確率は大体9500人に1人らしいので、裁判員になれる気がまったくしませんよね(なりたいわけではないけれど)
そんなになる確率が低いのなら裁判員なんてなるわけないよねーって思っていました、この時点では。
子育てしているわけでもなく、介護をしているわけでもなく、仕事をしているわけでもないので断りの申し立てをすることもなくそのまま裁判員の候補者に上がっていることも次第に忘れてしまっていたのです。
ある事件の裁判員候補者になる
候補者の名簿に載ったという通知から時間が経っていたので、びっくりしたのですが突然、「特別送達」なる郵便物が届きます。
どうやら、ある事件の裁判員の候補者に選ばれたようです。
上の図式だと③④の状態です、指定日が記載されていて、この日に裁判所に候補者が集まって裁判員を選ぶ集会をしますからね、という通知がきたんです。
そうだ、裁判員の候補者の名簿に登録されていたんだ、すっかり忘れてました(汗)
裁判員に選任されなくても1度は裁判所に出向くことになるので、指定された日の日当と交通費をいただくことができます。
そのための振り込み先を書いて裁判所に返送することになります。
この時点では既に裁判の日程などもわかっているので、その詳細の書類も送付されています。
今まで行ったことのなかった裁判所に初めて行くことになったのでドキドキ、緊張しまくりです。
裁判員を選任する当日
裁判員を選任する手続きをする日は朝9時から受付、順番に番号が与えられ自分の番号のところに着席します。
裁判員6人と補充裁判員2人選任されるのですが50人くらいの人が来ていました(50分の8なので確率割と高い?)
その後質問票(事件の被害者、加害者と知り合いではないか等)を記載して、その後に抽選により裁判員が選ばれます。
質問したいことがある場合、その質問票に書いておけば個別で裁判官の方とお話しをすることができます。
わたしも社会に詳しくない主婦が裁判員になって大丈夫なのか、と不安な気持ちがあったのでその旨記載したところ裁判官の方とお話しさせていただきました。
その後、抽選により裁判員が選任されるのですが抽選とは目の前でななく、裁判官、検察官、弁護士のいる別室で行われて発表はモニターに番号で表示されるという形でした。
(どのような抽選のシステムなのかはわかりません)
裁判員が決定、裁判員に決定!!
モニターを見たとき愕然となりました。
「あ、わたしの番号あるやん・・・」普通は番号があれば嬉しいことが多いのに今回はとっても複雑な気持ち。
そんな経緯を経て(見事?)裁判員に選任されたのでした。
今まで宝くじを買っても、懸賞に応募してもたいしたもの当たらなかったんですけどね。
裁判員に選任されたその後
裁判員に選任されなかった候補者の方はこの時点で帰宅してOK。
選任された8名は、裁判官、検察官、弁護士、裁判員、補充裁判員での初顔合わせとなります。
手元に「宣誓」のような文章の書かれたプリントが置いてあり、裁判員全員でその「宣誓」を読み上げます。
そのプリントは持って帰ることができないので文章は忘れてしまったのですが「ちゃんと裁判員を務めます」といった内容だったと思います。
そしてその後、実際裁判が行われる法廷を見学、マイクを使って質問の練習などをさせていただきました。
テレビなどで見る法廷の様子とは逆からみる景色に、緊張が高まります。
あとは注意事項、次回以降の裁判の予定など裁判官、裁判所の職員の方から説明を受けて解散となります。
裁判員の名前は「記号」で呼ばれることに
その日からわたしたち裁判員、補充裁判員は「A」「B」「C」・・・という記号で呼ばれることになります。
例えば「Aさんはどう思いますか?」「Bさんは質問ありますか?」といった感じです。
裁判員同志でもお互いをAさん、 Bさんと呼び合っていましたね。
裁判官と裁判員が話をする部屋を「評議室」と呼び、評議室に入るにはキーが必要です。
評議室には自分専用のロッカーも与えられました。
コーヒーやお茶もセルフですが自由ですし、椅子も心地よい椅子でゆったりしています。
環境は快適です。
裁判員制度の裁判員に選ばれるまで まとめ
前年の11月に裁判員の候補者の名簿に載ったとの連絡があってから、初めて裁判所に呼び出されるまでは間が空いていたのですっかり候補者だということを忘れてしまっていました。
わたしはその1年間で裁判所に呼び出されたのはこの1回だけでしたが、隣りにいた方は前にも裁判所に呼ばれたことがあったそうです。
11月に発送されてきた裁判員の候補者の名簿に挙がっても、順番ではなく裁判毎に無作為に抽出されているのでしょう。
裁判員制度についてはわからないこと、不安なことが多く、できるのなら裁判員になりたくない、といった気持ちをお持ちの方が多いと思います。
ですが、裁判に対する知識がなくてもわかりやすいように裁判が進められていくのが裁判員裁判。
一生のうち、裁判員に選ばれるかもしれないという機会はそうそうありませんので(9500人に1人ですよ)裁判員選任手続きの通知がきた方は裁判所に出向いて抽選に身を委ねることをお勧めします。